みゆき画廊の39回目の酒匂譲個展を見て

 みゆき画廊で酒匂譲個展〈油彩・水彩〉が開かれた。酒匂は1930年鹿児島県生まれ、1953年に東京藝術大学油絵科を卒業し、1955年に同専攻科を終了している。はじめサヱグサ画廊で個展を開いた後、パリで個展をし、1976年からはこのみゆき画廊で毎年個展を開いていて、もう39回目になる。長く東京家政大学で美術を教え、現在そこの名誉教授となっている。
 今回新作が3点並んでいる。いずれもきわめて短時間で描かれたらしい。次に掲げたものがそれだが、即興でこれだけのものを描いてしまう。芸大卒業後60年という長い画家生活からくる実績の賜物かもしれないが、むしろ天分なのだろう。



 酒匂は色彩が美しい。絵具をほとんど混ぜないで使うという。作品が多様だ。これだけの実績がありながら、自己模倣が見られない。
 今回、新作の3点以外は画廊主の牛尾らがアトリエから選んできた旧作で構成されている。久しぶりに見る旧作も見事なものだった。色彩の美しさは、他の追随を許さない。天性のカラリストなのだ。





 酒匂は俗世の栄光を求めない。「無欲にして高潔なる老画伯」なのだ。現在83歳なのだが、老画伯というには違和感がある。ハンサムでとても若々しいのだ。

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酒匂譲個展〈油彩・水彩〉
2014年2月10日−2月15日(土)
11:00−19:00(最終日17:30まで)
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みゆき画廊
東京都中央区銀座6-4-4 銀座第二東芝ビル2階
電話03-3571-1771
http://miyuki-gallery.com/