うしお画廊の酒匂譲展「没後3年 画集出版記念」を見る

 東京銀座のうしお画廊で酒匂譲展「没後3年 画集出版記念」が開かれている(2月16日まで)。酒匂は1930年鹿児島県に生まれ、1954年に東京藝術大学油絵科を卒業し、1955年に同大学専攻科を修了している。1976年から2016年までみゆき画廊で毎年個展を開いていた。その数46回に及ぶ。2016年3月に逝去。長く家政大学で美術を教えていた。

f:id:mmpolo:20190211215845j:plain

f:id:mmpolo:20190211215906j:plain

f:id:mmpolo:20190211215930j:plain

f:id:mmpolo:20190211215953j:plain

f:id:mmpolo:20190211220013j:plain

f:id:mmpolo:20190211220032j:plain

f:id:mmpolo:20190211220054j:plain

f:id:mmpolo:20190211220113j:plain

f:id:mmpolo:20190211220134j:plain



 酒匂は色彩の美しい画家だ。その美しさは日本でもトップクラスだろう。きわめて優れた画家であるにも関わらず広く知られているとは言いがたい。それは酒匂が名声や権威を求めず団体にも背を向けていたからだ。加えて自己の作品に対しては極端に厳しく、発表が済んだあとはほとんどの作品をつぶしてしまっていたというからだ。気に入らないからから残さないらしい。
 しかし今回1980年代初期の油彩が数点展示されている。それは家政大学の倉庫に保管されていて、酒匂もそれを忘れていたらしい。そのため酒匂による破壊を免れたのだった。おかげでこうして展示されて私たちが見ることができる。
 油彩のほかに、小品の水彩画もたくさん並んでいる。画廊の一角には画集が積まれて売られている。この機会に酒匂さんの絵を見直してほしい。
     ・
酒匂譲展「没後3年 画集出版記念」
2019年2月11日(月)-2月16日(土)
11:30-19:30(最終日17:00まで)
     ・
うしお画廊
東京都中央区銀座7-11-6 イソノビル3F
電話03-3571-9701
http://www.ushiogaro.com