中和ギャラリーの柴田和「青味泥の空間 いろいろ展」を見る

 東京銀座の中和ギャラリーで柴田和「青味泥の空間 いろいろ展」が開かれている(2月16日まで)。DM葉書にはほかに「平面と函絵の2パターン。特に平面は、縦、横、斜め、すべてを直線のみで仕上げてみた。」とある。柴田は1934年生まれ、帝国美術学校(武蔵野美術大学の前身)を卒業。1960年代、美術グループ乱立の時代はネオ・ダダのメンバーらとも一緒に活動していた。1963年、最後の読売アンデパンダン展で出品拒否を受ける。翌年から空間創りを街中に移し、環境美術の提唱者となる。
 しかし、大阪万博前後から渓流釣りのフライフィッシングにのめりこんでいく。それが20年前後も続いた。その間もデザインと設計建築の会社を経営し、シバ・アートというギャラリーも開いていた。しばらく作品の発表からは遠ざかっていたが、ここ数年来再び都内のいくつもの画廊で個展を始めている。銀座の中和ギャラリーでの個展は昨年に続いて今年で4回目になる。

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 平面作品は「偏と旁」「冠と脚」と名づけ、左右の要素の組み合わせ、または上下の組み合わせという形式で描かれている。それに対して函作品は「ハレ(非日常)とケ(日常)=暮らしの歳時記」となっている。これら函作品は1960年代初期に作った大きな作品の再制作のようだ。今回小さな箱の中に爪楊枝をびっしり貼り込んだり、ホチキスの針を数百本撃ち込んだり、古い絵筆をはめ込んだり、皺にした布切れを押し込んだりした作品を作っている。今から60年も前にこんな発想をしていた作家が80歳半ばでそれらを再現している。
 84歳柴田さん、まだまだとても元気だ。
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柴田和「青味泥の空間 いろいろ展」
2019年2月11日(月)-2月16日(土)
12:00-19:00(最終日17:00まで)
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中和ギャラリー
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル3階
電話03-3575-7620
http://www.chu-wa.com