中和ギャラリーの柴田和展を見る


 東京銀座の中和ギャラリーで柴田和展「偏と旁の関係」が開かれている(3月3日まで)。柴田は1934年生まれ、帝国美術学校(武蔵野美術大学の前身)を卒業。1960年代、美術グループ乱立の時代はネオ・ダダのメンバーらとも一緒に活動していた。1963年、最後の読売アンデパンダン展で出品拒否を受ける。翌年から空間創りを街中に移し、環境美術の提唱者となる。
 しかし、大阪万博前後から渓流釣りのフライフィッシングにのめりこんでいく。それが20年前後も続いた。その間もデザインと設計建築の会社を経営し、シバ・アートというギャラリーも開いていた。しばらく作品の発表からは遠ざかっていたが、ここ数年来再び都内のいくつもの画廊で個展を始めている。銀座の中和ギャラリーでの個展は昨年に続いて今年で3回目になる。
 入り口近くに柴田の言葉が貼られている。

「偏(へん)と旁(つくり)の関係」


齢が追いかけてくる。
ますます色々なことをやりたくなる。
  女+市=姉、女+未=妹、女+子=好
 などを頭において今回は3パターン
1. 横糸を織り込んでいくような手技での提案
2. 極力少ない手技でミニマル・アートの提案
3. 函絵と立体(マケットを含む)

 以下は「横糸を織り込んでいくような手技での提案」という作品
 それはどういう意味か尋ねると、布は経糸と横糸で柄を作る。それを横糸だけで作ったようなものだとのこと。


 以下は「極力少ない手技でミニマル・アートの提案」という作品

 以下は「函絵と立体(マケットを含む)」





 柴田の作品は難しいが、立体はなかなか楽しい。本質的にはユーモアのある楽しい人なのだ。
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柴田和展「偏と旁の関係」
2018年2月26日(月)―3月3日(土)
12:00−19:00(最終日17:00まで)
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中和ギャラリー
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル3階
電話03-3575-7620
http://www.chu-wa.com