ギャラリーQの井上修策展を見る

 東京銀座のギャラリーQで井上修策展が開かれている(10月15日まで)。井上は1984年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業している。長年ギャラリー現で個展を開いていたが、最近はギャラリーQで開催している。

 今回は先週と今週の2週続けていて、先週は「炎の形象」と題してタブロー展、今週は「空間主義者の亡霊」と題して、立体とキャンバスを重ねた平面的な作品を展示している。

 今週の作品をまず紹介する。積み重ねたキャンバスに大きな穴が開いている。これは焼いた石をキャンバスの上から落として穴を開けたもの。フォンタナのキャンバスを切り裂いた作品を思い出す。井上によるフォンタナへの批判的オマージュに思われる。

 また床に置かれた金属板の上に秋吉台で拾ったと言う大理石のかけらが置かれている。これは李禹煥への批判的オマージュではないか。

 壁にはそれぞれ単色が塗られたキャンバスが組み合わされた作品が展示されている。キャンバスは並べられているのではなく、微妙に重ねられている。これまたモンドリアン幾何学的作品を連想させる。


 ついで、先週開催した個展「炎の形象」を紹介する。井上の言葉、「人は火や言葉をコントロールしてきた、僕は絵具をコントロールする」。作品は炎を描いたり、文字を重ねて描いたりしていると言う。


 私には、今週の展示がとくに面白かった。

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井上修策展

「炎の形象」:2022年10月3日(月)―10月8日(土)

「空間主義の亡霊」:2022年10月10日(月)―10月15日(土)

11:00-19:00(土曜日は17:00まで)

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ギャラリーQ

東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3F

電話03-3535-2524

http://www.galleryq.info