杉原民子のドローイングがすばらしい

 東京小金井市のギャラリーテムズで開かれている杉原民子展がすばらしい(12月16日まで)。杉原は佐賀県出身、東京オリンピックの年に生まれたという。
 今回ドローイングが主体でペインティングの作品も並べられている。このドローイングがすばらしい。大作で森や木を描いている。それらがとても良いのだ。額に入った馬の小品も良かった。
 以前DMハガキで見たオオカミのドローイングもすばらしかった。だが初めオオカミだと分からなくて猫だと思っていた。娘は犬だと言った。杉原に訊くとオオカミだった。
杉原民子のドローイング(2010年2月14日)
 猫か犬かオオカミか分からないのに魅力的なのだ。丸木位里のお母さんの丸木スマも犬か猫か狸か分からない幼児のような絵を描いていて、それがとても魅力的だったが、杉原のドローイングのすばらしさはそれとは全く違っている。スマのようなプリミティブな魅力ではなく、やはりプロの画家としての洗練されたものなのだ。杉原の「崩し」は意図的なものではなく、描きこまれた結果だ。本当にみごとなものだと感嘆してしまう。






 ギャラリーテムズはJR中央線武蔵小金井駅から南に徒歩8分ほどのところにある。ぜひ多くの人にこの優れたドローイングを見てほしい。わざわざ出掛けていくだけの価値があると思う。
(参考)
丸木スマ展が面白かった(2008年8月15日)
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杉原民子展
2012年12月6日(木)−16日(日)
11:00−17:00
11日(火)、12日(水)休廊
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ギャラリーテムズ
東京都小金井市前原町3-20-2
電話042-384-3564
http://www.gallery-tems.com