シャロン・ロックハートの「GOSHOGAOKA」

 アメリカ在住のシャロンロックハートという女性アーチストがいる。1996年に茨城県守谷市を拠点とするアーティスト・イン・レジデンス・プログラム「アーカスプロジェクト」に参加したシャロンロックハートは、守谷市の中学生のバスケットボールチームの練習風景をを16ミリフィルムで撮影した。
 実は私はその作品を見ていない。しかし当時NHK教育テレビ日曜美術館でその制作シーンが紹介されたのを見た。女子中学生のバスケットボール部員に体育館で練習させてそれを撮影しているが、ドイツのフランクフルトバレエ団から振付師のスティーヴン・ギャロウェイを呼び、中学生たちの練習をバレエに変えてしまった。その一部分を見たのみだが、それはもはやバスケットの練習ではなく、みごとなバレエ作品になっていた。演出はこんなにも変えることができるのか、その見事さ!
 のちに新宿のギャラリー、ワコウ・ワークス・オブ・アートで彼女ロックハートがその中学生たちを撮影したスチール写真展は見たが、肝心の映画は見ることができなかった。何度か上映される機会もあったようだが、また横浜美術館に収蔵されたようだが、結局見逃してしまった。大変残念だ。作品のタイトルは中学校の名前から「GOSHOGAOKA」という。