大口玲子『スルスムコルダ』を読む

 大口玲子『スルスムコルダ』(ふらんす堂)を読む。「短歌日記」シリーズ。大口玲子はカトリック信者の歌人。「SURSUM CORDA(スルスムコルダ)」は3世紀からカトリック教会で唱えられている文言で、「心を高く上げよ」という意味のラテン語の由。

 私はキリスト教とは縁もゆかりもないが、大口の短歌は気持ちの良いものだった。2024年、毎日Ⅰ首を詠み、そこに短い日記?、コメントを付けている。

 

1月3日(水)

法律により死刑なき三が日金柑甘露煮栗渋皮煮

日本で現在収監されている確定死刑囚は107人。

 

3月15日(金)

雑踏にミモザ香れるごと聞きてカムサハムニダきれいなことば

 

6月7日(金)

むらさきのため息ついてゐるようなアガパンサスをひた濡らす雨

夫と一緒に、息子の誕生日のプレゼントを買いに行く。(後略)

 

6月25日(火)

ぬばたまの黒髪如何に大道寺あや子は何処に生きて闘ふ

松下竜一『狼煙を見よ』読了。

 

6月30日(日)

夏椿そのすべやかなる幹に触れおそれつつ触れしはなびらの白

イエスのことを聞いて、群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた。「この方の服にでも触れればいやしていただける」と思ったからである。(マルコ5・27―28)

 

7月13日(土)

きんいろの美(は)しき翅脈をあふむけの蝉はじつくり見せてくれたり

 

9月1日(日)

怒鳴られつつ思ふイエスよ人間にどう思はれてもいいと思つた

「あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。」(マルコ7・8)