コバヤシ画廊の浅葉雅子展を見る

 東京銀座のコバヤシ画廊で浅葉雅子展が開かれている(10月29日まで)。浅葉は1982年、女子美術大学日本画専攻を卒業。2003年にKONSTFACK(スウェーデン国立デザイン工芸芸術大芸術専攻)で学んでいる。1996年に銀座スルガ台画廊で初個展、2011年からはコバヤシ画廊で毎年個展を開いている。

 浅葉は初め春草の「落葉」などを引用していたが、現在は浮世絵の春画をアレンジして作品を作っている。歌麿などの春画を引用し、そこに現代の女性の風俗を重ねている。春画を引用しているのだが、ソフィストケイトされた作風で、とても上品なものだ。色彩も形も美しい。



 春画の引用とは言え、それを背景に微かに線描で表わしていて、よく見ないと分からないかもしれない。日常的なポーズの女性像に春画が重ねられていて、そのモンタージュから過激なメッセージを読み取るべきなのだろうか。そのあたりのことは未熟な私には分りかねる。

 全体に赤色が画面を覆っていて、これは血だろうかと問うと、そうではないと否定された。だが、何が描かれているかは見る者の自由だし、作者さえ気づかない無意識が現れているということもある。さて。

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浅葉雅子展

2022年10月24日(月)―10月29日(土)

11:30-19:00(最終日17:00まで)

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コバヤシ画廊

東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1

電話03-3561-0515

http://www.gallerykobayashi.jp/