東京銀座のコバヤシ画廊で浅葉雅子展「At the Museum」が開かれている(11月2日まで)。浅葉雅子は1982年、女子美術大学日本画専攻を卒業。2003年にKONSTFACK(スウェーデン国立デザイン工芸芸術大芸術専攻)で学んでいる。1996年に銀座スルガ台画廊で初個展、2011年からはコバヤシ画廊で毎年個展を開いている。
浅葉は初め春草の「落葉」などを引用していたが、現在は浮世絵の春画をアレンジして作品を作っている。歌麿などの春画を引用し、そこに現代の女性の風俗を重ねている。春画を引用しているのだが、ソフィストケイトされた作風で、とても上品なものだ。色彩も形も美しい。
今回は「美術館にて」と題されたように、有名な絵とそれを見る人物を組み合わせている。見る人の洋服の柄が浮世絵の春画なのだ。
1枚目は、島成園の「無題」を引用している。島成園の自画像だが、島は実際にはない顔のあざを描いている。
2枚目は有名な絵をいくつも引用している。黒田清輝や青木繁、岸田劉生などを見る女性、彼女も春画の柄の洋服を着ている。
小学生の女の子たちが見ているのは逆さに展示された竹下夢二だ。
車椅子の老婦人はアンディ・ウォーホルを見ているが、彼女は前回も描かれたお母さんらしい。
奥の事務室にも魅力的な小品が並んでいる。
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浅葉雅子展「At the Museum」
2024年10月28日(月)-11月2日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/