銀座の柳並木の葉が虫食いになっている。近づいてよく見ると小さな黒い虫=ハムシが寄生している。柳に寄生するハムシならヤナギルリハムシに間違いない。ヤナギルリハムシには寄主特異性があって、ヤナギ以外には寄生しない。ヤナギルリハムシが寄生していればそれはヤナギだし、ヤナギにハムシが寄生していればそれはヤナギルリハムシということになる。反対に多くの植物に寄生するのは多犯性という。ハスモンヨトウなどが典型的だ。
柳並木に害虫が大発生しても駆除するのは難しい。公共の場所で農薬を散布するのがはばかられるからだ。一応対策はある。早春に地面に直接散布して土に混ぜ込む殺虫剤がある。オルトラン粒剤などだ。オルトラン粒剤は地面に撒かれると植物の根から吸収されて葉に蓄積する。ヤナギルリハムシなど害虫が葉を食害すると毒成分も摂取されて防除できる。ただ、この方法は害虫の発生前に散布しておく必要があるので、発生を見てからの散布ではしばしば遅すぎる。根から吸収されて葉に行き渡るまで時間がかかるのだ。
同じようにプラタナスグンバイも都会のプラタナス(スズカケノキ)に大発生している。やはり防除はしないので、その被害は驚くほど広がっている。まあ、気づく人がいないのか、ニュースにはなっていない。