サンゴジュのクロトンアザミウマ

 先日芝居を見るために立教大学へ行った。立教大学へ足を踏み入れるのは初めてだった。昔親友がこの大学の文学部へ入学したが、校風があわないと言って半年ばかりで退学した。彼は翌年早稲田大学に入学した。
 初めて行った大学だったし、広い構内で芝居が行われる太刀川記念館を探すのに手間取って、大学周辺をうろうろした。結局親切な学生が目的の場所に案内してくれたが、途中葉が全面白くなっている樹木を見つけた。


 高い塀の向こう側で手が届かなかったが、手に取るまでもなく、サンゴジュに寄生しているクロトンアザミウマの被害だと分かった。クロトンアザミウマがサンゴジュの葉を舐食するすることで葉が銀色になる。これをシルバリングという。サンゴジュに寄生してシルバリングを起こすのはクロトンアザミウマだけだから虫を確認しなくてもすぐにわかる。
 以前近所の公団住宅の庭に植栽されていたサンゴジュに大発生していたころがあったし、表参道の小さな商店の前に置かれていたサンゴジュの鉢植えでも見かけたことがあった。知らないと病気かと思うかもしれないが、昆虫のクロトンアザミウマの被害だ。
 アザミウマというのは小さな昆虫で総翅目に属する。別名スリップス。ネギに寄生するネギアザミウマが一般的だが、この日本ではネギを加害するネギアザミウマが海外では綿の大害虫になっている。それが以前から不思議だった。
 昔勤務していた出版社で『農作物のアザミウマ』という本の編集を手伝ったことがあったのでアザミウマに関しては多少知識があります。


農作物のアザミウマ―分類から防除まで

農作物のアザミウマ―分類から防除まで