プラタナスにプラタナスグンバイが大発生している

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  都会の街路樹にプラタナスが植えられていることが多い。現在そのプラタナスプラタナスグンバイが大発生している。おそらく40年くらい前から日本に侵入した侵入害虫だ。樹によってはすべての葉にびっしりと寄生しているが、昔問題になったアメリカシロヒトリと違って微小昆虫なので街ゆく人はほとんど誰も気づかない。韓国のプラタナスは枯れた例もあるということだが、日本では葉が白っぽくなって光合成が妨げられても、極端な被害が見えないため、あまり問題視されていないのか。

 アメリカシロヒトリが問題になった時代と違って、現在は殺虫剤など農薬が嫌われているため、街路樹に殺虫剤を散布することなど、どこの自治体もできないだろう。侵入害虫に特有の天敵がいないため、プラタナスグンバイは猛威を振るっている。

 名前のとおりグンバイムシの一種で、成虫が相撲の軍配のような形をしているのでこの名がある。もともとツツジツツジグンバイや、りんごや梨、ボケなどのナシグンバイなど、園芸家や果樹農家にはおなじみの害虫だったが、最近このプラタナスグンバイやひまわりなどのセイタカアワダチソウグンバイが日本に侵入してきて害虫化している。

 侵入害虫は新天地に天敵がいないため大きな被害を及ぼすことが多々あるようだ。日本で普通に見られるマメコガネアメリカにわたって害虫化したとき、アメリカでは天敵がいなかったので猛威を振るった。マメコガネのことをアメリカではジャパニーズビートルと呼んでいたが、そのうち略してジャップと呼ぶようになった。その後日米開戦で敵となった日本を、マメコガネの名前から転じてジャップと蔑称するようになったと聞く。

 日本でも明治時代に侵入したルビーロウムシが柑橘の大害虫になったが、天敵のルビーアカヤドリコバチを導入して被害を抑えている。

 プラタナスグンバイはいつまで被害を拡大するのだろう。