トキ・アートスペースの吉川和江展を見る

 東京外苑前(神宮前)のトキ・アートスペースで吉川和江展が開かれている(4月10日まで)。吉川は東京生まれ、1969年に武蔵野美術大学を卒業し、1976年ドイツのハンブルグ国立美術大学に入学し、1986年に同校を卒業している。現在ハンブルグ在住。1983年ハンブルグの画廊で初個展、日本では1990年にギャラリー真木で個展を開いている。その後ギャラリーQ、ギャラリーNWハウスなどで個展をしたほか、2001年からはギャラリー現で10数回も個展を行ってきた。トキ・アートスペースでは2020年に次いで2回目となる。


 大きな作品はいずれも60×40mのパネルを組み合わせている。3×7=21枚、3×5=15枚、2×4=8枚、組み合わせは自由だ。このように直接は無関係な図柄を組み合わせることでモンタージュ効果が生まれる。モンタージュエイゼンシュタインの映画が有名だが、初期の中村宏も積極的に取り入れている。モンタージュによって別の意味が生まれてきたりする。

 吉川はドイツでもコロナによって外出が制限され、庭の植物を観察することが多かったという。そのせいで、樹木や花のモチーフが多い。ドイツ在住者らしく人物は欧米人やアフリカ人が取り上げられている。

 コロナで昨年は個展を見送ったが、2年ぶりの発表は吉川の深化を示しているようだ。

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吉川和江展

2022年3月29日(月)―4月10日(日)

12:00-19:00(最終日は16:00まで)

4月4日(月)は休廊

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トキ・アートスペース

東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F

電話03-3479-0332

http://tokiart.life.coocan.jp/

東京メトロ銀座線外苑前駅3番出口より徒歩約5分