東京神宮前のトキ・アートスペースで吉川和江展が開かれている(3月24日まで)。吉川和江は東京生まれ、1969年に武蔵野美術大学を卒業し、1976年ドイツのハンブルグ国立美術大学に入学し、1986年に同校を卒業している。現在ハンブルグ在住。1983年ハンブルグの画廊で初個展、日本では1990年にギャラリー真木で個展を開いている。その後ギャラリーQ、ギャラリーNWハウスなどで個展をしたほか、2001年からはギャラリー現で10数回も個展を行ってきた。トキ・アートスペースでは2020年以来3回目となる。
小さな画面を25枚組み合わせた作品が2点、今回は新しく写真を組み合わせた作品も展示されている。組み合わせ=コラージュは別の意味を発生させる。いや、そのようにメッセージを主張しているのだ。しかし、直接ダイレクトに伝えるのではなく、鑑賞者に考えさせている。
吉川はドイツ在住なので、ウクライナ戦争もガザの紛争も日本在住のわれわれよりも強く感じているだろう。
政治的社会的メッセージをコラージュの方法で表現している吉川の造形は、「お花畑」のような日本の美術(建畠某氏・談)界にひとつの示唆を与えてくれるだろう。
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吉川和江展
2024年3月12日(火)―3月24日(日)
12:00-19:00(日曜17:00まで、最終日16:00まで)月曜休廊
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トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
電話03-3479-0332
http://tokiart.life.coocan.jp/