東京銀座のGINZA シックス6Fの銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUMで森山大道展「FOSSILIZATION of LIGHT」が開かれている(6月30日まで)。ギャラリーのホームページより、
今回の展覧会では、森⼭の作品の中でも⼈気の⾼いモチーフによるシルクスクリーン作品を選び、公開いたします。森⼭は写真家として知られていますが、本⼈は従来からシルクスクリーンによる制作に取り組んでおり、アンディ・ウォーホルからの影響が⼤きいと述べています。
(中略)
[アーティストによるステートメント]
僕のシルクスクリーンによる制作の試みは、1969年まで遡ります。在⽇アメリカ⼤使館が使⽤していたクリスマスカードを複写し、シルクスクリーン作品に置き換えたのが始まりでした。これは、アンディ・ウォーホルの影響が⼤きかったと思います。初めてウォーホルの作品に出会った時、写真が持つポテンシャルを強く意識しました。
僕は⼀般的に写真家として知られているかもしれませんが、ゼラチンシルバープリントの展覧会より前に、シルクスクリーンでの展覧会を開催しています。1976年に、実物⼤のハーレーダヴィッドソンを、巨⼤なシルクスクリーンキャンバスにして展⽰したのを初めとし、それ以降も国内外を問わず⼤きな展覧会では必ずシルクスクリーン作品の展⽰を⾏ってきました。昨年、東京都写真美術館で開催された展覧会では、全体の1/3が、⼤型のシルクスクリーンによるインスタレーションでした。
何故、シルクスクリーンが好きかと⾔うと、カメラによって写し取られたイメージが、キャンバスに定着され、“時間の化⽯“というオブジェとなることを感じるからです。インクが持つ物質性や暴⼒性といったもの、シルクスクリーンの版を通して抽象化される過程など、様々な要因がその効果をもたらすのです。
ゼラチンシルバーもシルクスクリーンも、僕にとっては、イメージを表出する技法として違いはありません。それぞれ異なる特徴を持った技法であって、その時々でイメージの効果を最⼤化する⼿段として使い分けています。もちろん、コンストラストや⾊調などは、シルクスクリーンの特徴を⽣かした調整をします。シルクスクリーンは、サイズやインクの⾊など選択の⾃由度が⾼いため、作品はより多⾊に、そしてより⼤きくなっています。
会場には27点の作品が並んでいる。驚いたのは、森山の代表作ともみなされている野良犬の作品に、1600万円という高額の価格が付けられていたことだ。制作年2008年、キャンバスにシルクスクリーン、エディションが5点となっている。
森山大道の写真作品に1600万円という価格が設定されていることに驚いた。そうか、すでに日本でも現代美術のインフレが始まっているということだろうか。
同時に売れない写真家のことなども思い出して感慨深いものがあった。
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森山大道展「FOSSILIZATION of LIGHT」
2021年6月19日(土)―6月30日(水)
10:30-20:30
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銀座蔦屋書店 GINZA ATRIUM
東京都中央区銀座6-10-1 GINZAシックス6F 銀座蔦屋書店
総合インフォメーション03-6891-3390