東京浅草橋のTAKU SOMETANIギャラリーで舩戸彩子個展「茂みの中の雑誌について」が開かれている(10月25日まで)。舩戸は1990年愛知県生まれ、2018年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)を修了している。
2019年に名古屋と岐阜で初個展、東京での個展は今回が初めてとなる。
今回の個展について、画廊主がホームページに書いている。
私達が、日常的に目にするモノの「それらしさ」とは何か。 そのイメージを分析し、その色や形を再構成する事で作品にしています。 「そう見えてしまう」舩戸の作品は、よく見ようとするほど、モノや状況の細かい部分がぼやけ、「それらしさ」のイメージが立ち上がってきます。
また舩戸の言葉もギャラリーのホームページに掲げられている。
今回の「茂みの中の雑誌について」は、今ではあまり見られなくなった、街外れの茂みに捨てられた雑誌をモチーフに、各雑誌に見られる肌色の面積、髪が描く軌跡などを取り上げ、タブローとして制作しています。
複数の作品のうちに見られるパターンは、モチーフが持っていた個別性を曖昧にしていく中で「それらしさ」を単純に、鮮やかにします。また同時に、見る人があらがえず「そう見てしまう」ものとして再び目の前に現れることを、私は期待します。
作品は市販のヌードグラビア雑誌を加工している。ヌード写真の肌の部分をアクリル絵具で塗りつぶし、その雑誌を野外に放置して「街外れの茂みに捨てられた雑誌」を再現する。すると、雑誌やモデルやモデルのポーズなど多様だったものがほとんどステレオタイプのように単純な形態に収斂していっている。そのことについて舩戸が書いている。
制作において私は、そういったある対象物の類型イメージが持つ、色や形といったパターンを取り上げ、別の素材へと置き換えたり、一つの画面へと重ね合わせていくような手法を用います。
名古屋方面で活躍している若い作家を東京に紹介した画廊主の労を多としたい。
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舩戸彩子個展「茂みの中の雑誌について」
2020年10月3日(土)-10月25日(日)
13:00-19:00 月曜休廊
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TAKU SOMETANIギャラリー
東京都中央区日本橋馬喰町2-4-1 Bakurocactus 4F
電話090-8689-8050
※JR総武線浅草橋駅西口から徒歩数分、SAN-AIギャラリーのビルの4階