東京浅草橋のTAKU SOMETANIギャラリーでAhmed Mannan個展が開かれている(11月22日まで)。Mannanは日本とパキスタンのハーフで現在20歳、東京芸術大学在学中。2019年にギャラリー恵風で初個展、今回が2回目の個展となる。作家の言葉をギャラリーのHPから引く。
自分にとって、絵を描いたりなどの制作とは連続する日常の中で日々という差異を汲み取り差別化し、それぞれを独立させる営みであり、またその連続の連なった制作という行為達自体もフラットな日常に対して個々の日々達を出現させる為の手段である。今、生きている社会というものは常に全体が記号化され、フラットに馴らされている。その中で自分という存在自体も暴力的に分類され更に記号化を施され、馴らされる。そういた個が無視され集団の物として社会の中に取り込まれる状態の中で、自分は記号の一部では無く、個として発話し思考したいし、フラットな日常ではなく、個人として個々の日々を風景として扱いたい。そのために絵具を触り、布を独自に成形し、支持体を作り絵を描いているのだと思う。単純に描きやすい為の場所を作り絵を描くという行為が、いつしか自分という個の輪郭を型取り、視座を表す為の術になっていた。
若いが優れた才能の作家が現れたと思う。キャンバスではなく、手近な布を使って作品を作っている。旅行カバンを利用した作品は石膏も使い台座も含めてかなり重たそうだ。
作家は関西で育っているというが、図柄等に中東を思わせる形が現れている。人の頭部に動物の身体が継がれている。発想のユニークさからも作家の優れた資質がうかがわれる。
なお、媒体の布は固められており、板状に加工されているとのこと。
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Ahmed Mannan個展
2020年11月1日(日)-11月22日(日)
13:00-19:00(月曜休廊)
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TAKU SOMETANIギャラリー
東京都中央区日本橋馬喰町2-4-1 Bakurocactus 4F
電話090-8689-8050
※JR総武線浅草橋駅西口から徒歩数分、SAN-AIギャラリーのビルの4階