東京六本木のギャラリーMoMoプロジェクツで「NEW NEW NEW NORMAL」が開かれている(10月3日まで)。参加作家は、みょうじなまえ、山本れいら、半田颯哉の3人。
みょうじなまえは昨年東京藝術大学を卒業し、現在同大学大学院絵画専攻修士課程在籍中。2月にTAKU SOMETANI ギャラリーで個展を行っている。私もここで紹介した。
https://mmpolo.hatenadiary.com/entry/2020/02/29/230307
今回は裸婦の描かれた名画に衣服を描き加え、それらを製品化したミュージアムショップをインスタレーションとして展開している。
マチスの「ダンス」、クールベの「世界の起源」、マネの「草上の昼食」の裸婦に衣服を着せている。とくにクールベは下半身丸出しの過激な作品だが、縞のパンツを穿かされてなんかおかしい。
山本れいらは、1995年東京生まれ、シカゴ美術館附属美術大学出身。大きな立体作品は「女性の身体を利用して家系図を作るということ」と題されていて、小さな人形が家系図を表していて、女性は毛糸でぐるぐる縛られている。
ほかに妊婦の妊娠線や帝王切開なども描かれている。画廊で配布するテキストには「妊娠や子育てによって女性のキャリアが断たれるリスクに対するケアや社会的なサポートがなく、女性にとっての自己実現の選択肢は限られています。山本は、そうした妊娠出産することを受け入れない社会・文化構造に不安や憤りを抱き、抑圧への抵抗を作品を通して表現しています」。
半田は1994年静岡県生まれ、2019年東京藝術大学大学院先端芸術表現専攻修士課程修了。2018年に東京藝術大学 大学会館展示室で初個展。今回の展示について、「日本人の中に内在化された白人至上主義や欧米への憧れ意識を描きだすことで、東アジアの一国としての「日本」の再構築を試みています。政治的、歴史的、宗教的な要素の組み合わせによって作られた作品は、日本人に対しては自身の持つアイデンティティに疑いを、日本以外の東アジア人に対しては歴史の連想を、欧米人に対してはアジア人の持つ多様性を突き付けるといったような、見る者によって与えられる印象が異なる多重性をもっています」、と書かれている。
3者とも見ごたえのある展示だった。
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NEW NEW NEW NORMAL
2020年9月5日(土)-10月3日(土)
12:00-19:00(日曜・月曜・祝日休み)
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ギャラリーMoMo Projects
東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2階
電話003-3405-4339