ギャラリーなつかの「たまびやき」を見る

 東京京橋のギャラリーなつかで「たまびやき」展が開かれている(10月5日まで)。「たまびやき」とは、多摩美術大学の工芸専攻の陶の選抜展で、先週の学部生に続いて今週は大学院生の3人が選ばれている。石井あや子は1995年神奈川県生まれ。王海倫は1993年中国浙江省杭州生まれ。山崎真梨恵は1995年東京都生まれ(山崎の崎は立に可)。
 石井は岩の塊のような作品を作っている。内部は中空になっているようだ。塊を削いでこの形を作っているらしい。画廊が配っているちらしの石井の文章を引く。

陶の素材性に誘発されるかたち・行為をテーマに制作しています。/陶に繰り返し触れることで現れたかたちをレイヤーのように重ね、まだ見ぬかたちを生み出したいと考えています。

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 王も石井と似た形を作っている。まるで河原に転がっている石だ。しかし表面にはいくつか小さな穴が開いていて、穴を覗けば中空になっている。王の文章を引く。

陶土で膨らんでいる形を表現した作品です。/風船や枕、ビニール袋など、中に何かを詰めて、当たり前に形を変えて膨らんでいくことに魅力を感じました。従って、この魅力を土で表現したいです。例えば風船を膨大させる力が空気なら、土で表現する膨らみは手の力によるものではないでしょうか。空洞の形をまず作って、そして手で中から外に押すと表面に自然なひびが現れます。これは土が膨大しているということの象徴です。(後略)

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 山崎の作品は奇妙だ。これが陶だろうかといぶかしんでしまう。粘土で細い紐を作り、それを束ねて型に入れ焼いたとのこと。山崎の文章を引く。

私は道端の植物に目をとめてしまうことや、高いところから東京の街を眺めたくなることがある。それは、一見同じようであるが少しずつ違う一つ一つの単位があるルールに則って集合している様子に魅力を感じているからだと考える。(後略)

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「たまびやき」
2019年9月30日(月)-10月5日(土)
11:00-18:30(最終日17:00まで)
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東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889
http://gnatsuka.com/