ギャラリー広田美術の阿部ふみ展を見る

 東京銀座のギャラリー広田美術で阿部ふみ展が開かれている(2月9日まで)。阿部ふみは1980年東京生まれ、2007年に東京芸大美術学部油画専攻を卒業している。2011年みゆき画廊で初個展、その後広田美術で個展を繰り返し行っている。
 阿部ふみ展について、ギャラリーのホームページに次のように書かれている。

 阿部が近年描き続けている「顔」は精神的自画像である。
その画面に意識的に点を置き始めたのは2012年頃。当時顔中に吹き出物が広がり鏡を見るたびに落ち込んでいたといい、その状況を絵に置き換えることで昇華出来ないかと考えたのがきっかけで、画面に点を置いていくことによって救われる気がしたという。そして現在では少しずつ意味合いを変え、それは阿部自身の不安な気持ちの一粒一粒を表すようになり、それらを画面に置く行為によって前進することが出来るという気持ちに通じている。また顔の中でも特に眼に執着があり、長い時間をかけて描くものになっている。それは阿部が眼には全ての感情が集まる場所だと感じているからで、喜怒哀楽、痛みや苦しみ、不安や恐怖などを昇華させるため、強い思い入れと集中力を持って描いている。このように身体とこころで感じ考えていることに向き合い、その感情や感覚を画面に置いていく行為としての作品は、鑑賞者と少しでも共感することが出来たときに阿部だけのものではなくなり、普遍的な作品として広がり始めてくれると信じて制作に挑んでいる。

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 できものができたような顔を描き続けている。顔一面に大きな粒粒が描き込まれている。それらは美人画とは対極にあるかもしれない。しかし、絵としては美しいと思う。広田美術での個展も今回が5回目になるが、ますます洗練されてきている。作品も大きくなっている。今後が楽しみな画家の一人だ。
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阿部ふみ展「顔と点」
2019年1月25日(金)-2月9日(土)
11:00-19:00(日曜休廊)
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ギャラリー広田美術
東京都中央区銀座7-3-15 ぜん屋ビル1階
電話03-3571-1288
http://www.hirota-b.co.jp