東京銀座のギャラリー58で松見知明展が開かれている(8月26日まで)。松見は1984年、福井県生まれ。2010年に福井大学教育地域科学部美術教育サブコースを卒業し、2012年に同大学大学院教科教育専修美術専攻を修了している。初個展は2011年にこのギャラリー58で、そして去年もここで行っている。
松見の彫刻はどこかで人を思わせる。上部に頭のような形を持っていて、そこにはしばしば穴が作られる。今回も白く塗られた作品、「歌う」と題されていたんじゃなかったっけ、やはり上部に大きな穴を持ったユーモラスな作品がおもしろい。
画廊の中央に3体の構造物が置かれていて、それも過去の文脈からたどればやはり生き物に見えてくる。木で組み合わされた脚のような形が、どこか青木野枝の鉄の抽象彫刻を思わせた。
一番奥に木彫のオブジェのような作品が台に置かれている。トルソのようにも見えるし、同時に山のようでもある。首のようなところに穴が開いている。トルソだとしたら左肩に当たるところに細い棒が何本か立っている。それが山腹に生える木のようでもあるし、ほんのわずかだが舟越桂を連想もした。
松見は抽象と具象の合間のようなところで作品を作っている。個展が毎回楽しみな木彫作家だ。
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松見知明展
2017年8月21日(月)―8月26日(土)
12:00−19:00(最終日は17:00まで)
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ギャラリー58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4階
電話 03-3561-9177
http://www.gallery-58.com