東京銀座のギャラリー現で峯岸千絵展が開かれている(6月3日まで)。峯岸は1976年生まれ、現在千葉に住んでいる。1999年東京造形大学造形学部デザイン科卒業。2005年にギャラリー現で初個展、以来ギャラリー現で個展を続け、今回が7回目となる。
画廊の左手の大きな壁面に3点の作品が並べられている。またその壁面に相対する右手の壁には同じコンセプトの作品が1点展示されている。また前方に大きな作品が1点、後方にも大きな作品が1点ある。
私には左手の3点と右手の1点が面白かった。それらは少ない要素でできている。縦長の画面の内側に小さく縮小したような長方形が描かれている。それにアーモンドのような形が置かれていたり、短い線が引かれていたりする。たったそれだけで気持ちの良い画面が成立している。ふと吉仲太造の晩年の白い絵を連想した。共通するのは白い画面と線描だけで、吉仲は机とか電球とか帽子を描いていて、抽象的な峯岸とは異なるのだが。
大きな2点の作品も少ない要素で成り立っているが、いま挙げた4点の作品の面白さには及ばないのではないか。昨年の個展同様、今回も鉄の立体作品1点が展示されている。この立体作品とタブローには共通するものが認められ、峯岸の追求する方向がどちらなのか示唆しているようだ。
さて、このギャラリー現であるが、今回の個展をもって30年間の歴史を閉じるのだという。今週末6月3日が画廊の全展示の最終日となる。銀座の画廊でも最も尖がった展示を数多く見せてくれた前衛的な場所だった。私も25年間はほぼ毎回通っていて、最も好きな画廊のひとつでもあった。画廊主の梶山洵子さん、長い間ありがとうございました。
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峯岸千絵展
2017年5月29日(月)−6月3日(土)
11:30−19:00(最終日17:30まで)
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ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F
電話03-3561-6869
http://g-gen.main.jp