ギャルリー東京ユマニテbisの今実佐子展を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで今実佐子展が開かれている(7月25日まで)。今は1991年東京都生まれ、2014年に筑波大学芸術専門群総合造形領域を卒業し、現在同大学大学院に在籍している。
 都内での個展は今回が初めて。今実佐子の特徴は紙に絵具の代わりの化粧品で描いていることだ。抽象表現主義のようなオールオーバーの方法で大きな画面を作っている。その大きさはM150号くらいのパネルを2枚あるいは3枚で構成している。
 作家の言葉から、

化粧品を使って絵を描くという事。


私は、私がその日使う
ファンデーションや口紅、
アイシャドウなどを使って
絵を描いています。


化粧品によって描かれたその絵は、
自画像であり、私の分身です。




 ギャラリー正面の作品がパネル3枚、左右の壁に1点ずつパネル2枚で構成された作品が展示されている。これらがとても良かった。化粧品だけでこれだけ大きな作品を描いた例は今までなかっただろう。これは化粧品の効果なのかどうかは分からないのだが、画面は穏やかで暖かい印象だ。それが自画像であり分身なのであれば、作家の人間性がそうだということなのだろう。たとえ抽象作品でも作家の人間性は反映されるのだ。
 なお、来年のVOCA展にも出品が予定されているという。
       ・
今実佐子展
2015年7月20日(月・祝)ー7月25日(土)
10:30ー19:00(最終日18:00)
       ・
ギャルリー東京ユマニテbis
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F
電話03-3562-1305
http://g-tokyohumanite.jp/