東京京橋のギャルリー東京ユマニテで井上雅之展「形に囲まれる」が開かれている(3月23日まで)。井上は1957年神戸市出身、1985年多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。2017年第24回日本陶芸展大賞受賞。1980年代から陶を素材に立体作品の制作を試み、国内外の展覧会で発表。多くの美術館などに作品がコレクションされている。
井上のコメントが画廊のホームページに掲載されている。
自作の更新のため、小作品に挑んで見たいと考える様になりました。サイズの小さい世界に、どれだけ強度ある造型を手にすることができるか、まず身近な素材で10センチに満たない大きさのマケットを190点制作しました。これらを手掛かりした焼き物による小作品は90点となり、制作者も「形」だけではなく「色彩」にも囲まれることとなりました。
画廊には90点の小品が展示されている。昨年布や段ボールなどで190点ものマケットを制作し、それらを元に今回の陶の作品が出来上がった。何よりのその形の多様さに驚かされる。多様で魅力的な形、微妙な釉薬の色、今まで少数の大作を発表してきた作家が、大量の小品を展示し、井上がどんなに豊かな造形を内に持っているか改めて感嘆する展示になっている。
井上はこれらの形を昨年のマケット展で見せていた。本来陶の作家があのように異種の素材で試行錯誤して、その結果が今回の展示に結びついている。井上がまた一つ階梯を昇ったかのようだ。
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井上雅之展「形に囲まれる」
2024年3月4日(月)-3月23日(土)
10:30-18:30(日曜祝日休廊)
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ギャルリー東京ユマニテ
東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F
電話03-3562-1305