ギャルリー東京ユマニテの中井川由季展を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテで中井川由季展が開かれている(12月23日まで)。中井川由季は1960年茨城県生まれ、1984多摩美術大学絵画科を卒業し、1986年同大学大学院美術研究科修士課程を修了している。1990年にポルトガルより招聘されて滞在制作、2002年に滋賀県陶芸の森で招聘講師として滞在制作、2004年に韓国より招聘されて滞在制作を行っている。

 主な個展としては、1991年からマスダスタジオ、ギャラリー小柳、山口県立萩美術館・浦上記念堂など。ここユマニテでは2019年から今回が4回目となる。

 作家のコメント、

35年前に使った半球の石膏型を、もう一度使って形を作ろうと思い立ちました。窪みのある形を順番に石膏型に押し付けて半球を作り、そこから繋げて手捻りをするとどんな展開になるのか試してみたくなって作業を続けました。石膏型からより大きな鉄の型まで使い作って行くと、多数の窪みを持った大きな丸い形状になり、どこかで見たことがあるものが出来上がりました。具体的には何も想定していないのに、結果として、かすかな記憶が形として残る事になりました。と言うか、なってしまいました。何かに絡め取られた感覚です。

 


 陶で不思議な立体を作っている。「多数の窪みを持った大きな丸い形状」は何か動物や昆虫が作る「巣」のような形になっている。あるいは蓮の実なども連想してしまう。中井川は何も想定していないというが、それがこのような造形になるのが面白い。昨年の個展の大きな立体も面白かった。

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中井川由季展

2023年12月4日(土)―12月23日(土)

10:30-18:00(日曜日休廊)

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ギャルリー東京ユマニテ

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F

電話03-3562-1305

https://g-tokyohumanite.com