東京都写真美術館のPRマンガが傑作だ

 東京都写真美術館(写美)で発行しているニュース別冊「ニャイズ」が面白い。作者は既婚OLカレー沢薫、PRマンガらしいけれど、実に自由に描いている。美術館のスタッフをおちょくったり、内実をスクープしたり、いいんだろうかとちょっと心配してしまう。
 主たるキャラクターは却津山春雄(キャッツヤマ ハルオ)と関羽(3匹の猫)で、彼らが狂言回しとなって展開する。最初の画像で左下のコマの「俺は熟女好きだから問題ない」と言っている人物がその春雄。

若手学芸員の紹介という回で、ヤマミネさんがあっという間に30になっちゃったと言っている。「写美の学芸員は20代1人、30代1人、あとはそれ以上です」館長83歳「限界集落だニャ!」「ということは女性陣全員……」

学芸員の卵インターンたちを突撃取材だニャ!」右下のコマで「みんなどこの大学ニャ?」「メイジです」「東大です」「ワセダです」、左下で春雄が「敵だ!」、関羽が「超八流苦寝苦寝大学だもんニャ」

写美のバイト代について、日給6,880円、交通費支給なし! と言っている。意外に安いなあ。

こどもに写真への興味を持ってもらうために、「あえて説明しないで〈これは何の写真か〉答えてもらうんです」、こどもの答え「兄妹」「戦争中の写真」「かくれんぼ」「穴から出てきた」。正解はユージン・スミスの「楽園への歩み」有名な写真だ。

現在改装中の写美にあった売店(×10=バイテン)はいまナディッフアパートで臨時営業している。そこにはこんな商品も置かれている。「ウチには会田誠さんデザインの〈TENGA〉も置いてますから」「おみそれしましたニャー」。
 これがどんな商品か、私は身近な品の良い女性から教えてもらった。知らない人は身近の品の悪い男性に教えてもらおう。


 このマンガはA5判4ページ、月刊で無料。銀座のガーディアン・ガーデンやギャラリー58、ツァイト・フォトサロン、LIXILギャラリーなどに置いてある。