ギャラリーなつかの三上秀夫展「経と緯/壁から20ミリ」がおもしろい

 東京京橋のギャラリーなつかで開かれている三上秀夫展「経と緯/壁から20ミリ」がおもしろい(5月18日まで)。
 三上は1962年埼玉県蓮田市生まれ、1985年に東京芸術大学美術学部工芸科を卒業し、1987年に同大学院美術研究科染織専攻を修了している。1986年に東京の真和画廊で初個展、以来宮崎、神奈川、東京、大阪、宮城などで個展をくり返し、2005年からは銀座にあったギャラリーなつかで個展を開いている。なつかでは今回で5回目になる。グループ展への参加は数多く、国内各地をはじめ、フランス、韓国、中国などにも出品している。





 今回の作品はちょっと変わった形態をしている。タイトルの「経(たて)と緯(よこ)/壁から20ミリ」のとおり、縦横それぞれ15本の細い板:木材を組み合わせて格子状にし、それにアクリル絵具で淡く着彩している。縦横15本ずつの板で区切られた196個の矩形の小さな升。タイトルの「壁から20ミリ」というのは、作品の厚さを示している。作品の大きさが、620×620×20mmなのだ。でもこれは何というジャンルに分類されるのだろう。レリーフとも違いますよねと言えば、三上も違うと思うと言う。タブローではないし、オブジェともちょっと違う気がする。
 格子状の板の側面に塗られた絵具が作品に微妙な色彩を与えている。同じ形の作品がわずかな色彩の違いによって微かに異なる表情を見せている。この表情の違いが、一見ミニマルの傾向にちょおした豊かさをもたらしている。興味深い作品になっていると思う。
 今回の個展の会期は2週間ある。ギャラリーは昨年移転して、今は京橋のギャラリー椿と道を挟んで対面(ちょっとずれているけど)している。最近すぐ近くに東京スクエアガーデンがオープンした。京橋が急速に活性化している。新しい京橋を見つつ、ギャラリーなつかの三上秀夫展に足を運んでほしい。
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三上秀夫展「経と緯/壁から20ミリ」
2013年5月7日(火)〜5月18日(土)
11:00〜18:30(土曜日17:00まで、日曜日休廊)
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ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/