犬も歩けば棒に当たる

 注意しながら散歩をしていれば、何かと興味深いものに当たる。
 展葉してきたムクゲの葉の表面に小さな水滴のようなものが光っていた。

 その葉の上の(over)葉の裏を見ると、ワタアブラムシがびっしり寄生している。ワタアブラムシは数多くの植物に寄生する多犯性のアブラムシだが、とくにアオイ科の植物を好む。その名前のワタやムクゲ、フヨウ、ハイビスカスなどだ。

 この下の葉っぱに付いていた水滴のようなものは、アブラムシが排泄した甘露なのだ。アブラムシの食物は樹液だけだ。必要な養分は樹液のほんの一部しかないので、ほとんどの樹液はそのまま排泄してしまう。排泄された甘露は糖分が含まれているので粘つく。それで寄生している葉の下の葉の表面に水滴のように付いている。こんな現象を見つけたら、その上を調べるとアブラムシやカイガラムシが寄生しているのが見つかるかもしれない。
 近くの桃の葉が変な形に膨らんでいた。これは病気でモモ縮葉病。人には無害だ。

 バラが咲いていた。

 バラの葉が白くなっている。これは葉の中にバラハモグリバエが寄生している。幼虫が葉の中を食い荒らして、蛹から羽化して飛び立っていく。黒っぽい粒状に見えるのは糞なのだ。