冷泉彰彦「『関係の空気』『場の空気』」が面白かった

 横浜逍遙亭で冷泉彰彦「『関係の空気』『場の空気』」(講談社現代新書)が紹介されていた(id:taknakayama:20080716)。
 私も読んでみたが大変おもしろかった。まず最近の若い娘たちが男言葉を使うきっかけが1996年のテレビドラマ「ロングバケーション」でキムタク相手に山口智子が喋ったあたりからだという。これでひとつ疑問が解けた。
 ついで驚いたことが次のくだりだった。

 驚く人もあるかもしれないが、敬語とは話し手と聞き手の対等性を持った言葉である。そして、いわゆる「タメ口」とはむき出しの権力関係を持ち込んだ不平等な言語空間を作り出すものなのだ。(中略)タメ口が平等だというのは幻想である。

会話においては「です、ます」をあえて敬語の一種としないほうが良いのではないだろうか。むしろ「です、ます」こそ日本語の会話の標準スタイルなのだとして、学校教育でも社会の中でもしっかりとそのコミュニケーション能力を磨くことが必要なのではないだろうか。「です、ます」を「丁寧語」という敬語の一種として特別視することを止めるべきではないだろうか。

 ここでは結論だけ引用したが、豊富な例をあげて十分説得的だ。
 著者はアメリカで、アメリカ人に日本語を教えている。そのような(日本語の)周辺にいるからこそ日本語のことがよく見えるのだろう。横浜逍遙亭の中山さんの言われるとおり「お手軽新書かと思ったら大間違い。いい読書になった。」