コンパクトカメラの名機ミノルタCLE

 横浜逍遙亭の日記へのコメントから、ソニーがCLEデジタルを企画していたことを知った。昔々もう30年も前になるが、ミノルタとライカが提携して高級コンパクトカメラを発売した。ライツミノルタCL、レンズ交換式、ライカのMマウントでライカのレンズが使える。標準の40ミリレンズのほかに、ミノルタブランドながら90ミリレンズ、28ミリレンズが発売された。90ミリと28ミリはドイツ製だった。ポイントはライカの廉価版というのと、露出計が内蔵されたことだ。当時これを持っていた。デザインもきれいで、小さくて使いやすいカメラだった。
 義弟が結婚することになって披露宴での撮影を頼まれた。撮影そのものは慣れていたが、酒が入るとピントが甘くなる傾向があった(カメラも酔うのだろうか?)。それを理由に発売されたばかりのミノルタのαシリーズ、オートフォーカスの一眼レフを買った。その代わりカミさんからの強い要請でライツミノルタを手放した。ミノルタの新しい一眼レフは酒に酔わなくて披露宴の撮影を無事終えることができた。しかし、このオートフォーカスというのは初期のためもあってか使いづらく、マニュアルを指向した時ほとんど使い物にならなかった。これは( )カメラだ!(カッコ内は汚い言葉) 
 ライツミノルタCLを出した後、ライカミノルタは提携をやめ、10年後くらいにミノルタは独自にミノルタCLEを発売した。マウントの規格は変わらないのでライカのレンズが使え、CLEとEがついたことから推測できるように露出がオートになった。これがほしかったが、なぜか誰もプレゼントしてくれなかった。
 ライツミノルタを買う前からニコンF2フォトミックやその後もニコンFMを持っていたのだが、若いころ平気だった重たい一眼レフがなぜか負担になってきた。ここ10年、軽くて使いやすいミノルタCLEをほしいと思いながら、ヤフーオークションで見る値段に腰が引けていた。そんなことで日常にはコニカビッグミニというコンパクトカメラを持ち歩いていた。
 ただこのご時世、もうデジタルで十分になってきた。ミノルタCLEへの志向は薄れている。そんな時CLEデジタルという名前を聞いてちょっと心が動いたが、フィルムカメラでなければCLEに拘泥する必然性が見当たらなかった。そう考えるのは私だけではないだろう。CLEデジタルの発売は難しいのではないか。