持田叙子 編『安岡章太郎短篇集』を読む

 持田叙子 編『安岡章太郎短篇集』(岩波文庫)を読む。持田が選んだ安岡章太郎の短篇集。31歳で発表した「ガラスの靴」から58歳の「猶予時代の歌」までの14篇が収録されている。

 安岡章太郎は昔何かを読んだけどあまり感心しなかったので、以来読んだことがなかった。今回荒川洋治が本書について、文章が素晴らしいと書いていたので手に取ってみた。処女作の「ガラスの靴」が何とか読めたけど、他の短篇はようやく義務的に読んだのだった。

 安岡が属する第三の新人は、安岡のほかに吉行淳之介遠藤周作阿川弘之三浦朱門小島信夫庄野潤三などだが、私が好んで読んだのは吉行淳之介だけだった。遠藤周作は『沈黙』だけ読んだが、それ以上読む気はしなかった。

 庄野潤三は兄の庄野英二の『星の牧場』は好きだった。