東京銀座のギャラリーQで井上修策展「密」が開かれている(10月17日まで)。井上は1984年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業している。長年ギャラリー現で個展を開いていたが、一昨年からギャラリーQで開催している。
今までインスタレーションが多かったが、今回は初めてタブローを出品している。ほぼ150号の大きさのパネルに無数の動物を描きこんでいる。哺乳類やら爬虫類やら、よく見れば人間もいる。画面いっぱいに描きこまれ、展覧会名の「密」を表している。密に重なり合った動物の姿からボッシュを連想した。
いやボッシュを連想しなくとも、現在の地球上の人間をこそ描いているのかもしれない。地球の人口は2020年現在78億人に達するという。それこそ井上が描いた「密」の状態ではないだろうか。新型コロナが発生したのもある意味必然かもしれない。
地上の過密な人口に対しては、今までもエイズとかサーズ、マーズなど新しい病原体が突然現れてきた。今回の新型コロナウイルスもその一つだし、これが解決しても過密な人口が続く限り様々な病原体などが登場するのではないか。現在の地球の人口は異常なのだ。井上の「密」を告発する絵画は、そのことを主張しているに違いない。
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井上修策展「密」
2020年10月12日(月)-10月17日(土)
11:00-19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリーQ
東京都中央区銀座1-14-2 楠本第17ビル3F
電話03-3535-2524