みゆき画廊の井上敬一展が今年もすばらしい


 銀座6丁目のみゆき画廊で井上敬一展が開かれている(10月26日まで)。井上は1947年香川県生まれ、1980年に福岡教育大学美術研究科を修了している。
 人の顔をいくつも重ねて不思議な画面を作っている。みな変な顔なのだが、なぜかそれらが魅力的だ。小品の「てつがくしゃ」というのがある。九州の大学で哲学を教えている哲学者を描いているというが、描き込んでいるうちに別の顔が出てくるという。その瞬間が気持ちいい。描き込んでいれば必ず出てくる。というか出てくるまで描き込むという。


 これがあんたを描いたものだよと言われれば、俺ってこんな顔だっけと言われるかもしれないが、同意はされなくても拒否はしないだろう。この哲学者の顔だったら、将来肖像画として使われてもいいかもしれない。
 もちろん似てはいないだろう。しかし、変な顔だが品格というか風格が感じられる。おもしろい絵だと思う。


みゆき画廊の井上敬一展(2012年4月27日)

       ・
井上敬一展
2013年10月21日(月)−10月26日(土)
11:00−19:00(最終日17:30まで)
       ・
みゆき画廊
東京都中央区銀座6-4-4 銀座第二東芝ビル2階
電話03-3571-1771
http://miyuki-gallery.com/