女性の成熟を求めない日本の文化

 昨日5日からデヴィッド・ルヴォーの演出でイプセンの「人形の家」が始まったらしい。宮崎りえと堤真一主演、渋谷のシアターコクーンで。S席9,000円、A席7,000円、うむ高い。デヴィッド・ルヴォーは長くT.P.T.(シアター・プロジェクト・東京)の芸術監督をしてきた。4年前に「ナイン」を見たし、10年ほど前にはチェホフの「三人姉妹」を見た記憶がある。T.P.T.の発足とともに日本でキャリアを積み始めたが、いまでは欧米きっての人気演出家だという。
 その5日の朝日新聞の夕刊にルヴォーへの簡単なインタビュー記事が載っている。

 すっかり「東京人」のルヴォーだが、地下鉄のポスターは不思議だと言う。「若い女性のモデルはみな子供っぽくて人形のよう。女性の成熟を男性も女性自身も求めない。そんな慣習やゆがみは現代の日本にも残っているのでは? 『人形の家』はそんな矛盾を問いかける作品でもある」

 日本は女性の成熟を求めない文化なのか。成熟した女の価値を認めないということなのだろうか。私の知っている成熟した女性はとても魅力的なのに。