以前「驚くべき東ドイツの美術」(2007年4月9日)を書いた。宮下誠「20世紀絵画」(光文社新書)から特に興味深かった1章「【間奏】《旧東独美術の見えない壁》」を紹介したものだ。
筆者は2005年夏、ライプチヒをはじめ幾つかの旧東独の都市を回った。その地の現代美術を調査することが目的だった。そして筆者はここで大きな「衝撃」を受けたのである。
として、ネオ・ラオホをはじめ、ベルンハルト・ハイジヒ、ヴォルフガング・マットホイアー、ヴェルナー・テュプケ、ヴィリ・ジッテ、ハインツ・ツァンダー、アルノ・リンク、ジークハルト・ギッレらの名前を挙げている。
これらのうち、ヴェルナー・テュプケとヴィリ・ジッテは口絵にカラー図版が載っているが、他にはベルンハルト・ハイジヒ、ヴォルフガング・マットホイアー、ジークハルト・ギッレが白黒図版で紹介されているだけだ。
現在、銀座のギャラリー現で吉川和江展が開催されている(9月13日まで)。彼女はドイツのハンブルグに住んでいて、毎年このギャラリー現で個展を行っている。彼女に宮下誠の書いていることについて質問した。
吉川さんによれば、数年前ライプチヒの画家たちがニューヨークに紹介され、いっぺんにブームになった。ライプチヒの画家なら誰でも売れたが、本当に優れた画家はネオ・ラオホNeo Rauchほか2、3人だとのことだった。
宮下の本にネオ・ラオホの作品が掲載されていなかったので探してみた。下に掲載した作品がそれだが、横尾忠則を連想した。一昨年、大阪の国立国際美術館でも展示されたことがあったようだ。一度実物を見てみたい。