カットソー、あるいは知の偏在

 ほとんどの女性たちが知っていて、ほとんどの男性たちが知らない言葉に「カットソー」がある。どうやら服飾関係の用語らしいと見定めて、彼女たちにその定義を聞くと、いろいろな例を示してくれるのだが、きちんとした定義は与えてくれない。切って縫うのならすべての衣服がそうじゃないかと思うのだが。
 Wikipediaによれば、

カットソー(cut and sewn)は、ニット素材(編み物)を裁断(cut)・縫製(sew)して作られる衣服の総称。 シャツが平織りなどの織物生地をベースに縫いあわせて作られるのに対比した言葉。

 ほとんどの女性たちが知っていて、ほとんどの男性たちが知らないような事柄を、私は知の偏在と呼んでいる。いやオーバーな物言いで面映ゆいが。
 この知の偏在は意外なところにあるのではないか。偏在だから一方の側には気づかれないのだ。そしてわれわれは誰もが一方の側に位置しているのだ。