ベランダのガジュマルにガジュマルクダアザミウマが寄生している。その成長の姿を追ってみた。
7月26日
新葉に2頭のつがいがいる。おそらく雄と雌なのだろう。
7月27日
翌日、新葉は両端が閉じられつつあった。
7月28日
葉はしっかり綴じ合わさり、食害されたためかケロイド状を呈している。
7月29日
典型的なガジュマルクダアザミウマの被害を示している。
8月11日
加害を受けた新葉は茶褐色を呈している。採取して葉を裂いてみると、すでにガジュマルクダアザミウマは成虫が1頭いただけで、多くはすでに脱出した後だった。
このガジュマルクダアザミウマが作る茶褐色の葉は、虫こぶに分類され、「ガジュマルハマキフシ」と名づけられている。その解説を『日本原色虫えい図鑑』(全国農村教育協会)から引く。
ガジュマルクダアザミウマ(Gynaikothrips ficorum)によって作られる虫えいで、新葉の下面が外に出るように縦に巻かれる。幅3.0~6.0mm、長さ25.0~50.0mm、表面は黄緑色で赤~赤褐色の斑点を散布する。内部には明瞭な幼虫室はなく、複数の幼虫や成虫が群生する。虫えいの基端(葉柄側)は、やや不完全に巻かれているために開口していることが多く、成虫の外界への出口となっている。(以下、生態、分布の項略)
本書は、湯川淳一と桝田長の編著により、1996年に出版された。もう25年前になる。私も編集者として関わったのが懐かしい思い出だ。