気になる名前がある

 気になる名前があって、それはカモミール茶だ。以前パートナーだった人が好んで飲んでいた。いわゆるハーブティーの一種で、紅茶のように淹れて香りがある。カモミールというハーブを乾燥して作るらしい。
 このカモミールは標準和名をカミツレという。別名がカミルレ、近似種にカミツレモドキというのやイヌカミツレという雑草もある。カモミールカミツレとかカミルレとか、どうしてこんな風に訛るのだろう。これこそ音韻法則とかに外れているのではないだろうか。
 カモミールについてWikipediaを見てみた。

カモミール、カモマイル(英: chamomile、あるいはカモミーユ(仏: camomille)、学名:Matricaria recutita)は、キク科の1種の耐寒性一年草。和名はカミツレ(加密列)である。後述するように、カモミールとも呼ばれる植物が他にあるため、本記事のMatricaria recutita を特にジャーマン・カモミール(German chamomile)という。ヨーロッパではハーブとして、どちらも同じように使われてきた。 ロシアでは、国花として用いられる。
(名称)
和名のカミツレは、オランダ語名カーミレ(kamille [kaˑˈmɪlə])の綴り字に、「加密列」「加密爾列」などの漢字を当ててカミッレとし、誤読したものである。日本での別称は、カモミールのほか、カミルレ、カミレ、ゼルマン、ドイツカミルレと表記したり、カモミール・ジャーマン、カモマイル、ドイツカミツレと表記されたりする。「カミルレ」は、従来カミツレの発音が好ましくないという意見から、オランダ名の kamille に基づくものである。

 イヌカミツレは香りがないのでハーブには利用されないが、花がきれいなので園芸用に栽培されている。カミツレモドキはかつてカミツレ属に分類されていたためとWikipediaに書かれている。
 かみつれは絵本などに登場する。私が初めて「かみつれ」という言葉を知ったのもビアトリクス・ポターの『ピーター ラビットのおはなし』(福音館書店)だった。そこには、

 きのどくに、ピーターは そのばん、おなかのぐあいが よくありませんでした。
 おかあさんは ピーターをねかして、かみつれをせんじて、ピーターに 1かいぶんのおくすりをのませました。
「ねるまえに 大さじに 1ぱいですよ」

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 『日本帰化植物写真図鑑』(全国農村教育協会)には、

カミツレ
 ヨーロッパ北部から西アジアにかけての原産で、薬用として栽培されるほか、南北アメリカニュージーランドなどに帰化している。一年生または二年生草本。全体ほぼ無毛でリンゴに似た芳香がある。(中略)明治年間の初期に薬用として渡来し、しばしば逸出、野生化している。頭状花を乾燥して、風邪や強壮に用いる。近年はハーブとしての栽培も多い。

 「強壮」に用いるって、N君に教えてあげよう。