東京浅草橋のマキイマサルファインアーツで江本典隆写真展『#らぶりつください』が開かれている(5月26日まで)。江本は1978年静岡生まれ、2003年に早稲田大学教育学部を卒業している。2010年写真家・元田敬三氏のもとで写真を学び、写真活動を始めるとある。
DM葉書の江本の言葉、
SNSで匿名性を纏いつつ、他者からの承認を欲求する自意識をたっぷり含んだ "自撮り" 写真に惹かれている。
一瞬の "らぶりつ" (fav & Retweet)の後、TLの彼方に流れ去っていく写真とは何なのか。画像データからプリントに物質化し、スマホの 画面からギャラリーへ転換することで見えてくるものを考えます。
タイトルの『#らぶりつください』の意味を画廊のスタッフに訊いた。ツイッターで「いいね」して「リツイート」をしてくれるように求めることを「らぶりつ」というのだと教えてくれた。皆きれいな顔写真を出している。江本がそれをダウンロードして許可を得てここで展示をしている。江本という写真家の個展でありながら、並べられた写真は各モデルの自撮り写真ということだ。こんな発想の企画は初めて見た。
モデルの女の子たちが皆きれいで(自信があるからやっているのだろうけど)、また似た感じの顔立ちが多いけど化粧のせい? とスタッフに尋ねると、自撮りは上を向いて撮ると目が大きく見えるし、カラーコンタクトを入れている子が多いから瞳も大きく見えるのだとのこと。また髪で顔を半分隠すと小顔に見えるのだとも。
スタッフの奥山帆夏さんからいろいろ教わった。彼女は前回ここで二人展をやっていた作家で、作品も良かった。
江本展に戻ると、自撮り写真だけで個展を成立させるなんて企画の成功だろう。おもしろい作家が増えてきた。
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江本典隆写真展『#らぶりつください』
2019年5月4日(土)~5月26日(日)
12:00-19:00(最終日17:00まで)火・水曜 休廊
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マキイマサルファインアーツ
東京都台東区浅草橋1-7-7
電話03-3865-2211
http://www.makiimasaru.com/mmfa/