東京京橋のギャラリーなつかで高浜利也展が開かれている(12月22日まで)。高浜は1966年兵庫県姫路市生まれ、1988年武蔵野美術大学を卒業し、1990年に武蔵野美術大学大学院修士課程を修了している。1998年からタイ国立大学に脚韻研究員として滞在した。
高浜は北海道の落石地区で落石(おちいし)計画を実行している。そのことについて、なつかのHPで書いている。
すべてのものは朽ちてゆく。旧落石無線送信所跡で毎夏、『銅版の茶室』として積み上げられた銅版画(石膏キューブ)は年間を通して落石岬の過酷な気象条件に晒され、つくるそばから朽ちはじめ風化が始まる。その現実を受け入れながら、さらに石膏キューブを積み上げる。つくる、くちる、つくる、の繰り返し。強酸性の腐食液によって強制的に銅を朽ちさせながら絵をつくっていく銅版画のプロセス同様、この地では塩分を含んだ深い霧に包まれながらすべてのものが等しく、加速度的に朽ちてゆくのである。風化した銅版画の上に、さらに積み上げ続けられる新たな銅版画。本展は朽ちることの象徴としての銅版画をテーマに、2012年に開催された『落石計画第5期 銅版画試論―つくること、ゆだねること― 』の続編として位置づけ、現場でつくりながら、あらためてふたりにとっての銅版画の在り方を問うものである。
今回画廊の正面の壁に正方形の小品が8枚x8列=64枚展示されている。これでひとつの作品で、落石計画の展示と同じらしい。
高浜の作品にも何かの形が透けて見えている。植物のようだったり家の形をしたりしている。一見落書きのようでもありながら、高浜の形は強いと思う。思い返せば、私が初めて現代美術の作品を買ったのは25年前の日本橋高島屋コンテンポラリーアートスペースでの高浜の個展でだった。好きな版画家の一人なのだ。
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高浜利也展「朽ちる家 −落石計画(おちいしけいかく)より―」
2018年12月3日(月)−12月22日(土)日曜休廊
11:00−18:30(土曜日17:00まで)
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ギャラリーなつか/Cross View Arts
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1F
電話03-6265-1889
http://gnatsuka.com/