2023-01-01から1年間の記事一覧

ヒノギャラリーの小林良一展を見る

東京八丁堀のヒノギャラリーで小林良一展「油絵具の欲望」が開かれている(10月28日まで)。小林良一は1957年栃木県佐野市生まれ、1987年東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業し、1997年五島記念文化財団美術新人賞を受賞、同財団の助成によりニューヨークに…

ギャルリー東京ユマニテの「コラボレーション:岡本敦生+野田裕示」展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテで「コラボレーション:岡本敦生+野田裕示」展が開かれている(10月28日まで)。ギャラリーのホームページより、 石彫の岡本敦生、絵画の野田裕示によるコラボレーション展を開催いたします。岡本は1980年代から国内外で作…

瞬生画廊の半田強展を見る

東京銀座の瞬生画廊で半田強展が開かれている(10月21日まで)。半田は1948年、山梨県笛吹市石和町生まれ。1970年に国画会展に初出品し、以来毎年出品している。1979年に小田急百貨店新宿店で個展をし、以後隔年で開催していた。また1988年に銀座の瞬生画廊…

山口昌男『本の神話学――増補新版』を読む

山口昌男『本の神話学――増補新版』(中公文庫)を読む。山口昌男は博覧強記の文化人類学者。50年以上前に本書の単行本が出版されてそれで読んでいたが、改めて50年ぶりの再読。本書は、ワイマール文化、ワールブルグ研究所、ユダヤ人の知的環境、モーツァル…

日本美術の二つの様式

恩田侑布子『星を見る人』』(春秋社)の書評を渡辺保が毎日新聞に書いている(2023年9月23日朝刊)。本書で恩田は久保田万太郎の俳句を分析しているが、渡辺は「俳句そのものも面白いが、著者の解釈が面白く、批評の文学になっている」と称える。 さらに渡…

資生堂ギャラリーの石内都展を見る

東京銀座の資生堂ギャラリーで石内都展「初めての東京は銀座だった」が開かれている(10月15日まで)。石内都は1947年群馬県生まれ、神奈川県横須賀市で育つ。以下、資生堂ギャラリーのホームページより、 1979年、初期三部作のひとつ「APARTMENT」で第4回木…

藍画廊の吉岡朝美展を見る

東京銀座の藍画廊で吉岡朝美展を見る。吉岡朝美は1987年北海道生まれ、2010年東北芸術工科大学芸術学部彫刻コース卒業、2012年同大学大学院芸術文化専攻彫刻領域を修了した。 藍画廊では2020年に続いて3回目の個展になる。 画廊の中央に小さな雲のようなも…

櫻木画廊の沓澤貴子展を見る

東京上野桜木の櫻木画廊で沓澤貴子展が開かれている(10月15日まで)。沓澤は静岡県生まれ、1996年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、1998年に同大学大学院油絵コースを修了している。ここ櫻木画廊では1年おきに個展を開いているようだ。 今回沓澤…

ギャラリーゴトウの森本秀樹展を見る

東京銀座のギャラリーゴトウで森本秀樹展が開かれている(10月14日まで)。森本は1951年、愛媛県宇和島出身。ギャラリー汲美をはじめ、ギャラリーゴトウ、小田急デパートなどで数多くの個展を行っている。今年5月にもここで個展を開いている。現在宇和島市…

松沢裕作『生きづらい明治社会』を読む

松沢裕作『生きづらい明治社会』(岩波ジュニア新書)を読む。副題が「不安と競争の時代」。裏表紙の惹句から、 日本が近代化に向けて大きな一歩を踏み出した明治時代は実はとても厳しい社会でした。景気の急激な変動、出世競争、貧困・・。さまざまな困難と…

三田晴夫『教養としての近現代美術史』を読む

三田晴夫『教養としての近現代美術史』(自由国民社)を読む。三田は長く毎日新聞の美術記者を務めた人。私もこの人の難しいインスタレーション作品の展評など教えられたことが何度もあった。 さて、不思議な題名だ。『教養としての~』とは何を言いたいのか…

ギャラリーなつかの「たまびやき」太幡心展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで「たまびやき」太幡心展が開かれている(10月7日まで)。たまびやきとは、多摩美術大学大学院工芸専攻/陶/選抜作品展のこと。ここでは太幡心を紹介する。太幡は2000年埼玉県生まれ、2022年多摩美術大学美術学部工芸学科陶専…

司馬遼太郎『人間の集団について』を読む

司馬遼太郎『人間の集団について』(中公文庫)を読む。副題が「ベトナムから考える」。司馬は1973年4月に取材のためにベトナムを訪ねた。偶然その数日前にアメリカ兵が引き上げたのだった。 司馬は中国文明の周辺にいる国家群に関心をもっていた。それらの…

山梨俊夫『美術の愉しみ方』を読む

山梨俊夫『美術の愉しみ方』(中公新書)を読む。山梨は神奈川県立近代美術館の館長を務め、国立国際美術館の館長も務めた人。前著『現代絵画入門』(中公新書)は名著だった。 好きな画家を見つけるとか、美術書を読む、美術史を学ぶ、似た画家を比べる、美…

コロナ罹病記

先日コロナに罹病した。ガンサバイバーのためか後期高齢者のためか、それともそれらの複合か、コロナが重症化した。39.4度の高熱を発し、食欲もなく水も飲めなくなって、急に筋肉が利かなくなりほとんど自由を失った。室内のトイレまで普通15歩で行かれると…

コロナ罹患

しばらくブログを休みます。

ガルリSOLの長田堅二郎展を見る

東京銀座のガルリSOLで長田堅二郎展が開かれている(9月23日まで)。長田は1979年大分県生まれ、2003年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業し、2005年に同大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。今までに主な個展としては、表参道画廊やいりや画廊な…

巷房の吉江庄藏展を見る

東京銀座の巷房・1+巷房・2で吉江庄藏展「境界を巡る襞~宿る~」が開かれている(9月23日まで)。吉江は1974年東京藝術大学大学院彫刻科を修了し、1979年同大学院構成デザイン科を修了、1980年に同大学院構成デザイン科研究課程を修了している。 3階の…

小室直樹『新版 三島由紀夫が復活する』を読む

小室直樹『新版 三島由紀夫が復活する』(毎日ワンズ)を読む。初めに第1章「三島由紀夫と二・二六事件」として2.26事件が詳しく語られる。それも反乱軍である青年将校側に立って事件を語っている。2.26事件に際して昭和天皇が鎮圧を命じた。それを三島は深…

大竹永明館長による山本弘展の見どころ

東御市の梅野記念絵画館で開かれている「All is vanity. 虚無と孤独の画家――山本弘の芸術」について、同館館長で美術研究家の大竹永明さんが中日新聞に寄稿した。 信州・飯田で生涯の大半を過ごした山本弘は、多感な10代を軍国主義から民主主義へ急激に移行…

うしお画廊の淀井彩子展を見る

東京銀座のうしお画廊で淀井彩子展「―芯・時間・色彩Ⅱ」が開かれている(9月23日まで)。淀井は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。2011年まで青山…

Oギャラリーの遊上陽子展を見る

東京銀座のOギャラリーで遊上陽子展が開かれている(9月17日まで)。遊上は大阪在住、1972年に銀座の橡画廊で個展、以来大坂や京都で個展を開き、Oギャラリーでは2015年より今回で5回目の個展になる・ 今回は左右7m20cmの大作を展示している。天地1m、小…

ギャルリ―東京ユマニテbisの井上雅之展を見る

東京京橋のギャルリ―東京ユマニテbisで井上雅之展「―形に囲まれる―マケット」が開かれている(9月16日まで)。井上は1957年神戸市出身、1985年多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。2017年第24回日本陶芸展大賞受賞。1980年代から陶を素材に立体作品…

ガルリSOLの「IRONWORKS」を見る

東京銀座のガルリSOLで「IRONWORKS」が開かれている(9月16日まで)。鍛金の二人展で、山崎美智子と細田尚美が参加している。二人とも多摩美術大学の金属専攻出身で、現在同じアトリエに属しているという。 山崎美智子は1981年千葉県生まれ、2004年に多摩美…

コバヤシ画廊の村上早展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で村上早展が開かれている(9月16日まで)。村上は1992年群馬県生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2017年同大学大学院博士後期課程中退。毎年コバヤシ画廊で個展を続けていて今年が8回目になる。201…

梅野記念絵画館の山本弘展が始まった

長野県東御市の梅野記念絵画館で、9日から山本弘展「All is vanity. 虚無と孤独の画家――山本弘の芸術」が始まった(11月26日まで)。 主な展示作品を紹介する。 「種畜場」 「種畜場」 天竜川の川霧の深い早朝、種畜場(家畜の交尾施設)に乳牛がいて、霧の…

明日から梅野記念絵画館の山本弘展が始まる

「流木」 「銀杏」 「川」 「箱」 長野県東御市の梅野記念絵画館で、明日から山本弘展「All is vanity. 虚無と孤独の画家――山本弘の芸術」が始まる(11月26日まで)。 開催に先立って、展覧会の図録が届いた。A4判128ページで、84点の図版が80ページに紹介…

ギャラリー川船の大森愛展を見る

東京京橋のギャラリー川船で大森愛展「空と地上と」が開かれている(9月16日まで)。大森は1980年群馬県生まれ、2004年女子美術大学芸術学部油画専攻を卒業している。2006年に藍画廊で初個展、ギャラリー川船では2012年以来今回が4回目になる。 今回はスチ…

ギャラリー枝香庵の浜田浄展を見る

東京銀座のギャラリー枝香庵で浜田浄展「転変を刻む」が開かれている(9月11日まで)。浜田は1937年高知県出身、1961年に多摩美術大学美術学部油画専攻を卒業している。2015年には練馬区立美術館で個展が開かれている。 DM葉書に「1990年代油彩作品と現在に…

ガルリSOLの「余熱と余韻」を見る

東京銀座のガルリSOLで「余熱と余韻」が開かれている(9月9日まで)。筑波大学大学院出身の彫刻家2人展で、矢野晋次と羽室陽森が出品している。 矢野晋次は1994年福岡県生まれ、2017年東京造形大学彫刻専攻を卒業し、2020年筑波大学大学院博士前期課程彫…