ギャラリー枝香庵の浜田浄展を見る

 東京銀座のギャラリー枝香庵で浜田浄展「転変を刻む」が開かれている(9月11日まで)。浜田は1937年高知県出身、1961年に多摩美術大学美術学部油画専攻を卒業している。2015年には練馬区立美術館で個展が開かれている。



 DM葉書に「1990年代油彩作品と現在に至る最新作」とある。特に興味深かったのは屏風の作品だ。一見普通に描いたように見えるが、やはり浜田の作品だ、筆触に見えるのは彫ってあるのだ。それを屏風に仕立てたのが面白い。

 1980年代の油彩は長いストロークで描かれた抽象作品だ。その後板を浅く彫ったレリーフ的な作品が並ぶ。最新作の、紙に油性マーカー、ワニスという小品も魅力的だった。

 浜田浄86歳、文字通り高齢だが、枯れたという印象はない。一見ミニマル・アートに近い造形ながら、浜田の制作に費やした時間が作品に堆積している。浜田の作品の独自性がそこにあるのだろう。

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浜田浄展「転変を刻む」

2023年9月1日(金)―9月11日(月)

11:30-19:00(最終日17:00まで)水曜日休廊

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ギャラリー枝香庵

東京都中央区銀座3-3-12 ギンザビルディング7F・8F

電話03-3567-8110

https://echo-ann.jp/