ギャラリーSAOH & TOMOSの梅田恭子展「砂に水」を見る

 東京神宮前のギャラリーSAOH & TOMOSで梅田恭子展「砂に水」が開かれている(9月24日まで)。梅田は東京都生まれ、1994 年 多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻を卒業、1996 年 同大学大学院 美術研究科デザイン専攻を修了している。1994年に東京銀座のギャラリー中沢で2人展、1995年に銀座のOギャラリーで初個展を開き、以来、毎年各地のギャラリーで個展を開いている。ただ、コロナ禍もあって、東京では3年ぶりになる。

「せきとめる」

「水が跳ねる」

「吐出口」

「水の中」

「砂に水」

「彷徨えるひと」

油彩「恥」



 今回は版画作品のほかに1階に油彩が1点展示されている。2階の主展示場の版画はいつもにもまして小さい。梅田の作品は静かで繊細なものだ。例えて言えば、とても小さな声で語っているのだが、繊細な表現のなかに微妙で豊かな表情が認められる。小さな声だが強い主張がされている。

 タイトルが、「せきとめる」「水が跳ねる」「吐出口」「水の中」「砂に水」「彷徨えるひと」などとなっている。油彩のタイトルは「恥」となっていたが、DM葉書では「あゝ僕が苦労して建てたのに風に晒され干ばつで崩れ同胞に踏まれ雨に流されていった」となっている。これらのタイトルからも梅田の繊細さが伝わってくる。

 油彩は珍しかったがとても良かった。

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梅田恭子展「砂に水」

2022年9月12日(月)―9月24日(土)

11:00-18:00(最終日17:00まで)

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ギャラリーSAOH & TOMOS

東京都渋谷区神宮前3-5-10

電話03-6384-5107

http://www.saohtomos.com/index.htm