国立新美術館のジャコメッティ展を見る

 東京六本木の国立新美術館ジャコメッティ展が開かれている(9月4日まで)。細い棒のような人物彫刻のジャコメッティ。南フランスのマーグ財団のコレクションを中心に、初期から晩年まで、彫刻、油彩、素描、版画など130点以上が展示されている。
 初期のキュビスムの彫刻から始まり、高さ3cmのごく小さい彫刻、でもこれがすでに細い人物像になっている。やがて等身大の細い人物像、そして群像が現れる。弟ディエゴの胸像が良い。顔は小さいが胸部はどっしりとして存在感がある。
 ポスターになっている瘦せこけた犬とほとんど棒状の猫、とくに犬は頭から尻尾まで1mもある。
 制作途中で次々と石膏の型をとり、ブロンズにした「ヴェネツィアの女」がIからXIIIまで並んでいる。
 美術館の中で唯一写真撮影が可能となっているのが、最後近くの部屋で、大きな作品が3体並んでいる。「大きな頭部」は高さ95cmあり、「大きな女性立像II」は高さ3m近い。「歩く男I」も高さ186cmだ。



「大きな頭部」




「大きな女性立像II」




「歩く男I」
 油彩が少なかったし、矢内原伊作の像や肖像画も見たかった。2006年に神奈川県立近代美術館葉山で開かれたジャコメッティ展に比較すると、出品点数は多いのだろうが、どこか物足りない印象を受けたのは、神奈川のときは初めて大規模なジャコメッティを見て感激したためかもしれなかった。
 いや、それでもこれだけ見られるのはもう10年以上ないかもしれない。もう一度見に行ってみたい。
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ジャコメッティ
2006年6月14日(水)―9月4日(月)
10:00−18:00(金曜日は20:00まで)(入場は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日
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国立新美術館
東京と港区六本木7-22-2
電話03-5777-8600(ハローダイヤル)
http://www.nact.jp/