ギャラリーOUT of PLACEの山江真友美展「雪を慕う」を見る

 東京外神田のアーツ千代田3331の2階にあるギャラリーOUT of PLACEで山江真友美展「雪を慕う」が開かれている(12月25日まで)。山名は岡山県生まれ、2006 年に倉敷芸術科学大学大学院芸術研究科を修了し、2011年−2012年にベルギーに留学している。初個展を京都の画廊で行い、東京では8年前に村松画廊で行ったほかすべて関西で開いている。
 今回の個展についてギャラリーのディレクター野村ヨシノリが書いている。

花の姿を借りて描かれたほの赤く、白い油絵具の質感と形は、私達を「官能」の世界に誘う。
それはまるで深い山奥に音も無く降る雪のようでもあり、
降る雪を黙ったままひたすら見つめ続ける少女の、膨らみかけた乳房のようでもある。
それは柔らかい真綿に口づける時のようでもあり、未熟な無花果の苦い味にも似ている。
淫媚と無垢が同居する永遠の処女迷宮に、ようこそ…





 山江は花を描いている。その花は菊のようでもあり、だが菊とも違っている。どんな花とも正確には同じではない。よく見れば、舌に似ているところもあり、すると舌が何かを舐めているようにも思ってしまう。花弁の先が女性器を思わせるところがあるなんて書いてもいいのだろうか。
 しかし山江が描いているのは間違いなく花なのだ。もし山江の花が官能的に見えるのだとしたら、もともと花自体が官能的なのだ、とひとまず言っておこう。妖しい花の世界に浸ってみてください。
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山江真友美展「雪を慕う」
2016年11月25日(金)―12月25日(日)
12:00―19:00(月火水 休廊)
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ギャラリーOUT of PLACE
東京都千代田区外神田6-11-14
アーツ千代田3331 207号
http://www.outofplace.jp/
※地下鉄銀座線末広町駅から徒歩3分
 地下鉄千代田線湯島駅から徒歩数分
 JR山手線御徒町駅から徒歩10分