浅生ハルミン「猫座の女の生活と意見」(晶文社)を読んでいたら、次のような一節があった。
もし生まれ変われるのなら猫ではなく、猫の舌に毎日舐められる猫のごはんの皿になりたいと妄想にあけくれる猫好きの私ですが、そんな魔法はこの世に存在するするわけがありません。
これを読んですぐにジャック・ブレルの「行かないで」を思い出した。
行かないで
僕はもう泣かない
僕はもう話さない
ここに姿を隠そう
そして君を見ている
踊って笑う君を
君の声を聴こう
歌って笑う
ならせておくれ
君の影の影に
君の手の影に
君の犬の影に
行かないで
行かないで
行かないで
行かないで
浅生ハルミンは「猫のごはんの皿になりたい」と書き、ジャック・ブレルは、せめて愛する「君の犬の影に」なりたいと歌う。私も昔犬を飼っている女性に「あなたの犬の影になりたい」って書いたけど、伝わらなかっただろうなあ。
ジャック・ブレルの訳詩はTOI LE POETEから引用した。
- 作者: 浅生ハルミン
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- 発売日: 2009/02/01
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