音大の学生の悲劇

 知人の娘さんがピアノを習っていた。小さい時から優秀でピアノの塾でもトップクラスだった。高校は普通高校だったが、週3回以上ピアノの先生について勉強していた。
 その甲斐あって優秀な成績でT音楽大学ピアノ科に現役で入学した。しかし入学してまもなく彼女が言ったのは、「お父さん上には上がいるのよ」だった。楽器演奏では上手下手がすぐに分かってしまう。演奏家を目指したほとんどの学生がこのように挫折するのだ。むごい話だが。
 美術では少し違う。絵の下手だった山口長男やバーネット・ニューマン、フランク・ステラたちが、上手い絵を描いた小磯良平たちを軽々と抜き去っている(id:mmpolo:20061117)(id:mmpolo:20060314)。美術家たちは美大卒業時点でもまだ可能性があるのだ。音楽家たちとは違って。