ギャラリーαMの小松裕子展「鏡と穴―彫刻と写真の界面」を見る

 東京東神田のギャラリーαMで小松裕子展「鏡と穴―彫刻と写真の界面」が開かれている(10月14日まで)。小松は1969年、神奈川県生まれ、写真は金村修に学んでいる。初個展は2009年にギャラリー山口で行った。以来、ギャラリーQ、トキ・アートスペース、The Whiteなどでもう数十回の個展を開いている。
 見たとおり、膨大なモノクロ写真を画廊いっぱいに展示している。今回は床などに敷いた小サイズの作品が3,000カット、壁面に展示した大きいサイズの作品が200カットくらいあるという。このように広い展示スペースは初めてだと思うが、床を含めていつも画廊いっぱいに写真を展示するスタイルは変わらない。いや、初個展のギャラリー山口では床にまでは展示していなかったが。







 だが、こんなに膨大な写真が並べられると個々の写真を見るゆとりがない。大量の写真は意味が変わってくる。質が転換する。何か、個々の写真が印刷された写真を拡大したときの網点のように思えてくる。すると、画廊全体がメタ写真というような別次元の作品に変わってくるのではないか。
 床にも展示しているので、画廊に入れば作品を踏みつけて歩き回ることになる。そのことに少々ためらいを感じたのだったが。
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小松浩子展「鏡と穴―彫刻と写真の界面」
2017年9月9日(土)〜10月14日(土)
11時〜19時、日月祝日休み
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ギャラリーαM
東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
3-5829-9109
http://gallery-alpham.com/
都営新宿線馬喰横山]A1出口より徒歩2分
JR 横須賀線総武快速線[馬喰町]西口2番出口より徒歩2分
日比谷線小伝馬町]2、4番出口より徒歩6分
都営浅草線[東日本橋]より徒歩6分