「新井狼子 没後10年展」が開かれている

 東京銀座の銀座煉瓦画廊で「新井狼子 没後10年展」が開かれている(3月5日まで)。新井狼子は1920年埼玉県戸田市生まれ、1949年より抽象絵画に関心を持ち表現活動に入る。1952年前衛書道開始。1961年書のグループ蒼狼社に参加、岡部蒼風・中村忠二に師事。1980年退会、∞会を結成。2005年2月、85歳で亡くなる。
 今回の個展は弟子である小島健二の企画で開かれた。私は書が分からないが、小島に勧められて展示を見た。書が分からない人間にも新井狼子の書は魅力的だった。
 狼子について小島は「書の野人と言われ在野にて活動した書家です。飄々として出逢う人を和ませる反面、書に対する情熱は凄まじいものが有りました。同時代に生きた井上有一、須田剋太中村忠二とも交流が有り、資料 も掲示していますので是非ご高覧下さい。」と書いた。
 須田刻太の狼子あての手紙があった。その一部、

白秋の午後我が家に素晴らしい書がとどけられてゐた
井上有一 勅使河原蒼風先生以外でこんな書を書く男が日本国内に生きてゐたのかと嬉れしかつた


写真は右から
空観
臨済録
自己滅却即則天
雲龍
南無阿弥陀仏

右から
仏道とは無我にて候 蓮如上人
雲関
どうしようもないわたしが歩いている  山頭火
(左端は略)

いつでも死ねるか
いつでも死ねる
   山頭火

椿ひらいて墓がある
   山頭火
       ・
「新井狼子 没後10年展」
2015年2月25日(水)−3月5日(木)
11:00−19:00(最終日は17:00まで)
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銀座煉瓦画廊
東京都中央区-13-18 医療ビル2階
3-3542-8626
http://ginzarengagarou.com
歌舞伎座裏・木挽町通り